その町はめっちゃくちゃ寒い山の中にあったんだよ。
腕利き商人の俺はちょっくら珍しいもん仕入れてやろうと思って辺境にあるという噂の町に向かったんだが、急いて準備を怠ったせいで遭難しちまってな。
冷てえ雪に突っ伏してると赤色の衣を身にまとった奴らがわいて出てきて、こらあ死神ってやつかとぼんやり思っていたら、なんとくだんの町の住民だったんだよ。
命を救われといてなんだが、ほんとに妙ちきりんな格好だよなあ!
体調が回復したあとに町中回ってみたんだが、どこもかしこも赤、赤、赤。
なんでも妙な光を放つ絡繰りはストーブの代わりで、
町中に設置して寒さを凌ぐっつーでたらめな防寒方法をとっているらしい。アホだ。
でもまあ、しょっぺえのにクセになる料理とか、騒がし好きなタフなやつらは悪くなかった。
今度お前さんもいってみたらどうだい?
信仰してる神の像が、どうみても悪魔にしか見えねえのはいただけねえがな!
街の様子と、そこで忌避される白濃女人の死神と、信仰されている赤灯魔面の豊穣神を描いた作品群。